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世界で一流と言われる仕事術を学ぶ -ムーンショット デザイン幸福論

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ムーンショット デザイン幸福論

奥山清行氏の最新著書をやっと読みました。
この本は前作「人生を決めた15分 創造の1/10000」のスピンオフ的な位置づけだということですが、
とんでもない。これはこれで全く別の本となっています。
新たな発見や示唆に富むセンテンスがいくつもありました。

そして、挿入されているデザインスケッチが本当に見応えがあるものばかり。
スケッチ集としてだけでも価値のあるものだと思います。

「ムーンショット」とは?

まずは、この本のタイトル「ムーンショット」についてですが、
ムーンショットとは、奥山清行氏の好きな言葉だそうです。
曰く、

この言葉は、1969年を境に意味が変わっている。 それまでは「真上の月に向かって鉄砲を撃つ事は、無駄でもあるし危険でもある。」 そこから「馬鹿なこと、無駄なことをする」という意味が来たのだが、 アポロ11号が文字通り月面着陸に成功してからは、 「遠大な計画でも、目標に向かって努力をすればいつか実現する」という意味に変わった。

そうです。
言葉が途中で意味が変わるというのも珍しいことで、
それだけで興味を惹かれますが、それ以上に
目標に向かって一歩一歩足を進めていく、
そしてその努力を決して怠らない奥山氏だからこそ、
本来的な意味に、妙に説得力があるように思います。


自分でデザインしたものを自分で買うか?

そして

今のクルマは、下手をすると
「このクルマ、作ったデザイナーも買う気はないだろうな」というような
デザインのものもあるが、60年代や70年代のクルマ達は、
「設計者が誰よりも早くこれを買ったに違いない」と思わせる。

と言います。

一見至極当然のことと思ってしまいますが、
商業デザインは、関係者が多く、自分だけの好みでは
商品化することはできません。関係者を納得させるのか、
それとも自分が妥協するのか。。。
どういった姿勢で仕事に取り組むのか、考えさせられます。

AudiのTTのデザインの話はクルマ好きには有名なエピソードですが、
例え今の瞬間に叶わなくても、自分が信じたものなら、
貫き通すことも大事だと、そういうことだと思います。

但し、この本の中で何度も出てくる「船頭多くして船山に登る」ということ。
関係者全員が我を貫き通そうとすると、それはそれで方向性を見失ってしまう。。

クライアントに対しては言われた以上のことをやって、 彼らからいただくものより、ずっと大きな売上や利益を還元するよう努力する。

と著していますが、管理者としても、世界の第一線で戦ってきた
奥山氏がどこにプライオリティを置いてマネージメントしてきたか、
本書内で散見されます。

本当の”商品”とは?

さらに、

自分の仕事を「歴史を作る」と表現できる人たちは、幸せだ

とあります。これは、氏がGMのデザイン・ディレクターからスカウトされた際に
かけられた言葉ですが、実は誰にでもこの可能性はあるのではないかと思っています。

僕がやっているようなマーケティングの仕事は、”自分”を商品とすることが出来ます。
クライアントだけでなく、自分をブランド化し、他の仕事でご指名をいただくことが出来ます。
クリエイターだけではなく、営業でもいただくことが出来ます。

広義での広告業界に入った際は、
作りたいもの、売りたいものはどこかのブランドの商品ではなく、
自分なのだ、自分というブランドを売りたいのだ、などと
暑苦しく思っていましたが、今になってやはりこの考えは間違っていなかったのだと
改めて気付かされています。というか、まさにこの考え方がないと
とても成功はできないんじゃないかとも思っています。
歴史を作る前に、まずはブランドを。

奥山氏は

簡単に言ってしまえば「ものづくり」から「ことづくり」。これには良い先例があります。 ipodがその地位を奪うまで30年近く若者の音楽文化を支えたウォークマンです。 「もの」としては新鮮味がなくても、「使い道」がまったく新しいこと。 それがエクスペリエンス・デザインです。 これからのデザイナーは「もの」をデザインしているだけではダメだと思います。

といいます。
何においても体感・経験させることが重要視されるようになってきています。
新たなものを作っても、結局分からなければ流行らない。
iPhoneも、直観的なインターフェースで、すぐに誰でも使えるから売れる。
iTunesというインフラにしてもそうだと思います。


クリエイティブだけでは勝負が出来ません。
会社にしても何にしても、結局は人。
人間力がある人が作ったものは、
魅力的に見えるし、実際に魅力的なものに成り得ます。
こういう時代に生きているからこそ、
もっと自分のブランドを確固たるものにしなければならない、と思うのでした。


そして、いつか奥山氏が辞める前に、
一度仕事を一緒にしてみたい、とも思うのでした。




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